巨大釣り針

ナースの常識!?医者の非常識!?
単行本: 162ページ
出版社: 中山書店 (2007/04)

そんなに前に出てた本とは知らずに、書店で見かけたため、著者名から明らかに巨大釣り針だと分かっていたが誘惑に負けて手に取って読んでしまう。なんでも、看護雑誌に連載していたもののようで、メインの読者である看護師さんに嫌われないためにはああいう書き方が無難だよね、という内容。まあいろいろ?なところはあるが、スルー検定なんだろうということで流しておく。県立大野病院事件のあたりは、「詳しく知らないから分からないが、医者たちがあんなに抗議してるんだから不当逮捕なんだろう、しかし〜」と判断を避けた上で、別のカルテ改ざん事件は明らかに刑事事件だろう、という文脈につなげるための使い方をしてるのが不適当に思う。知らないことに中途半端なコメントするくらいなら触れなければいいのに。
全体として、医師を貶めて看護師さんを持ち上げる記述が多いのだが、「自分を含めて医者はバカで幼稚である」みたいな書き方を数ヶ所見かける。「自分を含める」ことで、医師に対する誹謗中傷をやわらげてるつもりなんだろう。しかし、こういう表現は、私も使ったことがあるから感じるのだが、「実は自分だけは違うと思っている」場合に使われることが多い。自分では気付かないが、人の文章を読むとそれがミエミエになるのでとても怖い。自戒したい。
結論としては、立ち読み推奨。