母体死亡

普通、お産で死ぬはず無いと思っているから、家族にとってはすごくショックな出来事。でも、医師にとっても、すごくショック。
母体死亡率は、いろんな数字があるんでよく分からないが、日本国内で、年間100人までは行かないが、10人以上はある。だから、すごく少ないのではあるが、一定数は存在する。で、多分、助産院で出血多量になって、とかいう事例を除けば、病院でのケースが多いはずで、その場合必ず、産婦人科医が関わっている。
私も直接主治医では無かったけど、母体死亡は見たことがある(実は主治医にされそうになったのを5cmくらいの距離で逃れた)。自分だったら助けられた、とかいう医師もいるけど、後から言うから簡単なことなんで、ホントにその状況の現場にいたら、誰がやっても助からないことだって絶対あると思う。
さて、母体死亡は、家族にとっても悲痛の極みで、担当した医師としても悲惨だし、ツライ状況に追い込まれる。裁判がコワイとかそういうことじゃなくて、すごく精神的に抑鬱的になるのね。私も、近くで見ていただけなのに、数日は医師を辞めようと何度も思った。そして今のニート状態に辿り着いたわけだけどね。だから、母体死亡を経験しても、なお産科医を続けている先生方は凄いな、とも思う。
多分、母体死亡経験だけでも、産科医を辞める理由になるんじゃないかなぁ。それで逮捕でしょ。年間、10人〜100人の間のロシアンルーレットみたいなもんで。これではもう、産科医を続ける理由もないし、新たに産科医になる意味が無いとまで考えられても仕方ない状況。
皆さん、どう思いますか?