パンダのたとえ話

某巨大掲示板にのってた。感動したのではっとく。長いよ。

 絶滅危惧種と言われながら休みも正当な報酬も無く次々と力尽きていく我が国の産科医師は虐待されているパンダそのものである。
 本来パンダは大切に扱われ、産まれてきたパンダの赤ちゃんは死なないように大事に大事にされる。
 ところがこの国の医療界のパンダ(産科医師)は絶滅寸前であるにも関わらず、押し寄せる観客に朝から晩まで芸を披露させられ、それが終われば畑へ連れて行かれ、牛や馬でも できる仕事をさせられている。
 あるパンダは嘆いた。
「どうして僕達だけこんなに芸や重労働をさせられるのだろう。餌だって生きていくのにやっとしかもらえない。そうだ、パンダだからいけないんだ、白熊になれば楽になれる。 」
 早速そのパンダは折角の愛嬌のある白黒模様を捨て、毛を全て白く染め、白熊の檻へと非難した。
「あー、白熊になって良かった。これでゆっくり休める。餌だってなぜか前よりちょっと増えたぞ。」
 残ったパンダはさあ大変、少ない頭数で来る日も来る日も朝から晩まで芸と重労働。また、その芸は完璧でなければならない。一生懸命難しい玉乗りをしていても、強風に煽ら れてこけたら大変。
「パンダのくせに芸を失敗した。」と観客から激しいブーイング。

 ぶら下がっているミノムシからも
「そんな芸、ミノムシの俺でもできるぞ。何失敗してやがる。けしからん。罰を与えよ。」とミノムシのクセに大声でやじる。観客が拍手する。「そうだ!ムチで打て!!」
 玉からこけたパンダに手錠がかけられた。ムチが打たれる。
「お前が玉から落ちるから悪いのだー思い知れ!!」
ピシッツピシッツ容赦なくやせ衰えたパンダにムチが飛ぶ。
 拷問の後で「もう駄目だ、僕も白熊になろう。残された仲間達、ゴメン、もう限界だ。パンダを続けると死んでしまう。」
 こうしてヨロヨロのパンダはまた一匹一匹と白熊になった。

 子供ができにくいパンダはそんな環境では当然子供が増えない。どんどん数が減る。全国の動物園からパンダがいなくなった。
 観客は怒った
「どうしてパンダはいないの?最近のパンダは根性がない!芸が見れないなんて私達が困るじゃないの!そうだ、署名しましょう。」
 観客はパンダを虐待するから減少していることに気づかない。
 とある動物園が困り果てて
「十分に餌をあげるからパンダさん、来てチョウダイ。」
 パンダがやってきた。命を削って芸と労働を行った。幸い失敗は無かった。ところが観客から野次が飛ぶ
「何そんなに餌食ってんだよ。勿体無いじゃねえか!!」
 疲れ果てたパンダはその動物園を去った。
 今日もまた一匹、また一匹、パンダが動物園から逃げる。白熊になる。でも不思議なことに、その原因が虐待であることをパンダやその周りの動物達いがいは誰も指摘しないし、 変えようともしないのである。
 こうして全国の動物園からパンダはほとんど姿を消しました。残ったパンダの多くは疲労困憊して、難しい芸はできないのです。
 
 そんなある日、動物園に王様と王子様が遊びに来ました。
王様「余はパンダのトリプルスピンが見たいぞよ」
動物園は困り果てました。そんな芸のできるパンダはうちの園にはいないんです。
 だんだん王様親子は不機嫌になってきました。
 王様の頭から湯気が立つのを見て、飼育員は付近の動物園に電話を掛けまくりました。
 飼育員「そちらの園にトリプルアクセルスピンのできるパンダはいないでしょうか、王様がご立腹なんです」
 A園「無理だよ、今別のお姫様に芸を見せてるんだから」
 飼育員「2回転半のパンダでもいいからお願いします」
 B園「ダメですね、そうやって不完全な芸でお客さんを呼んだ他の園が訴えられて閉園したじゃないですか」
 だが苦労が実り、19件目の動物園が「やってみましょう」と王様親子を受け入れてくれたんです。
 しかし、その園のショーで王子様は喜びましたが、王様は満足せず、怒って帰ってしまいました。
 それを見ていた他の観客は「18もの動物園がパンダの芸を見せないのはおかしい」と激怒しています。
 でも、他の動物たちは「あんな難しい芸を要求されたら、希少なパンダではよくやった方だよ」と思いました。

 それを遠くから眺めていたミノムシは言いました。
「カバだって同じ哺乳類、パンダの芸もできないのは動物失格だね」
観客たちは手を叩いてミノムシを褒めました。

作者は別かもだが、「みんな泣いた」にもらい泣き。

動物園では相変わらずパンダがいじめられていましたが、
他の動物たちへのお客さんの態度も少しずつ変わり始めていたのです。
石を投げたり、「餌ばかり食べやがって。動物のくせに」と罵声を浴びせたり。
中には、動物園の入場料を払わずにショーを見て、動物を蹴飛ばして帰る人もいました。
こういう人たちが来ても、あとで村長さんが代わりに餌を持ってきてくれたので、
なんとか動物たちは我慢してショーを続けていたものです。

ある日、動物園では子供に人気のあったゾウがテレビをつけると、
画面の中ではミノムシがいっぱいぶら下がって話をしていました。
「動物園のショーのプログラムは、ひゃくパーセントねつぞうです」
「ショーが気に入らずに怒るお客さんがいますが、すべて動物の手抜きのせいです」
「動物は、餌ばかり要求してお客さんのことなんか考えていませんよ」
ゾウはくやしくて泣きました。
いつの間にかテレビの周りに集まっていたトラ、ライオン、シロクマ、イタチ、ゴリラも、
みんなみんな泣きました。涙が枯れても、泣き続けました。

その夜、ゾウが檻を壊して逃げました。
それを見たパンダも、ようやく腰を上げて走り出しました。
他の動物も、みんなみんな逃げました。

朝になって飼育員が動物園に来たら、もうそこには何も残っていませんでした。
お客さんは「ショーを、見せろ。俺たちは、ショーを見るけんりがある」と怒りました。
ミノムシも「村のための動物園なのに、動物は責任感がない」と叫びました。
でも、次の日になっても、次の年になっても、もう動物たちは戻ってきませんでした。