社説

産経ニュース
全面的に医師糾弾ではないが、やっぱダメ。
命を大切にしてない医療関係者はいませんよ。特に、産婦人科医はね。常に、二つの命を同時に扱ってますから。命にはすごい敏感ですよ。なのに、こんな書き方。一方の主張だけ聞いて、記事を書くのをいい加減にヤメテ欲しいな。
CT云々も、当事者からは、「そんな話はなかった」って聞きますし。治療可能な脳内出血だったかも議論が分かれているし、脳内出血だと分かってたらもっと受け入れ先が無かった可能性もあるし。断った受け入れ先も、脳疾患を疑って受け入れをお断りしたところもあるだろうし、情報が少なくたって、我々は色んな鑑別診断考えてるんです。医師はそんなにバカじゃないです。専門家をバカにしないで下さいよ。んなの、野球中継見てて、「次はストレート来るって分かってたろ。打てよ〜」って言ってるオヤジと一緒ですから。
最後の一言が腹立ちます。

■【主張】病院たらい回し 患者本位の基本忘れるな
 分娩(ぶんべん)中に意識不明に陥った妊婦が、19カ所もの病院に次々と転院を断られ、やっと収容された病院で脳内出血と帝王切開の緊急手術を受け、男児を出産した。だが、8日後に亡くなってしまう。問題は病院の「たらい回し」である。
 残された夫は「妻の命をもっと大切にしてほしかった」「今後、同じことが起きないよう妊婦の搬送システムを改善してほしい」と訴えている。
 妊婦は8月7日、奈良県大淀町大淀病院に入院し、翌日午前0時過ぎ、頭痛を訴えて意識を失った。適切な処置ができないと判断した大淀病院は受け入れ先を探したが、満床や専門医不在を理由に断られ、6時間後、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運び込まれた。受け入れを打診した20カ所目の病院だった。
 患者を医療設備と専門スタッフのそろった病院に搬送するシステムの欠如がまず問題だ。
 奈良県では高度な医療や緊急治療の必要な妊婦の40%近くが県外に転送されている。厚生労働省が進めているお産を扱う周産期医療をネットワーク化するシステムの導入も他の自治体に比べ、遅れたままだ。
 重体の患者を引き受け、面倒な医療訴訟を起こされる事態を避けたがる受け入れ側の病院の体質もあるだろう。厚労省によると、周産期医療は訴訟が多く、医療ミスや医療事故の12%は、産婦人科医が当事者だという。
 妊婦が最初に入院した大淀病院の誤診の問題も、忘れてはならない。大淀病院は容体の急変後、妊娠中毒症の妊婦が分娩中に痙攣(けいれん)を引き起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、痙攣を抑える薬を投与した。当直医が脳の異常の可能性を指摘し、CT(コンピューター断層撮影法)の必要性を主張したが、受け入れられなかった。
 脳内出血と正確に診断されていれば、搬送先の幅が広がり、早く受け入れ先が決まっていた可能性は高い。
 奈良県警は業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査に乗り出した。
 患者を救うのが、病院や医師の義務である。患者中心の医療の基本を忘れているから患者をたらい回しにし、患者不在となる。
 もう一度、医療とは何かをしっかり、考えてほしい。

もう一度、報道とは何かをしっかり、考えてほしい。