医療界とメディアの信頼関係

m3にこんな記事が出ていた。

呼吸器外し、14%が経験 延命中止依頼受けた79% 半数は「法整備必要」 救命センター全国調査 (1)
記事:共同通信社
提供:共同通信社
【2007年1月4日】
 回復の見込みがなく死期が迫った救急患者の終末期医療について、全国の救命救急センターすべてを対象に共同通信が2日までに行った調査で、回答した95施設(回答率48%)のうち「人工呼吸器の取り外しを経験したことがある」施設が14%に上ることが分かった。「患者や家族から呼吸器を含む延命中止を求められたことがある」は79%に達した。

多分、普通のサイトでも見られると思う。で、スゴいなと思ったのは、医師の方々のひとこと集が載っていたとこ。最後のひとつがスゴイ。

医師の一言集 (4)

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2007年1月4日】

 救命救急センター医師が寄せた主な意見は次の通り。(かっこ内はセンター所在地方)

 ▽呼吸器外し容認

 病状を説明し、家族の納得があれば外してよい(東北)

 助かる見込みのない人に延々と高価な治療を続けるのは不合理。救命すべき患者を収容できなくなる(中部)

 患者や家族の希望を、医療機関は本来、拒否する権利はない(中部)

 不必要で本人が望んでいない医療はすべきではない(近畿)

 無意味な延命は現在の医療なら半永久的に継続可能。最初から呼吸器をつけないのと外すのに違いはない(四国)

 ▽反対

 医療側の独善主義に陥る可能性がある(北海道)

 呼吸器外しは殺人とイコール(関東)

 終末期医療にどう対応するか、国民的合意がない(中国)

 医療従事者は人を殺しては絶対ならない(九州)

 ▽その他の意見

 どんな方法が合法なのかという線引きがないと安心して診療できない(北海道)

 本人の意思が不明な場合に家族の意思だけで方針を決めていいのか。病院ごとに対応が違ったら問題(北海道)

 家族から呼吸器外しの希望があった時は「あなたが外しなさい。黙認する」と言う。実行された例はない(関東)

 患者の事前の意思表示と家族の意見が異なる場合、患者の意思はほとんど無視される(関東)

 人はいずれ死を迎えると考えているが「どのように、いつ」は考えない。学校での教育が必要(関東)

 無意味な延命と分かっていても呼吸器は外せず、輸液(栄養点滴)を絞るなどでごまかしている。目的は同じ(近畿)

 家族は(延命中止に)同意しても、後から別の親族に法的に訴えられる場合もあり、呼吸器は外せない(四国)

 こんな問題に回答できるほど医療界とメディアの信頼関係は存在しない(中国)

これを掲載・配信した共同通信社は肝がすわってるなぁ。それとも何も考えてないのか。