クスリの効き目

ジェネリック医薬品2 - Dr.Poohの日記
リンク先の記事と、コメント欄が面白い。薬剤の合成の過程上、ゾロでもそんなに効き目が違うハズがない、という立場と、実際に使ってて違うんだ、という臨床の立場との意見が出ている。臨床医学は経験に基づく部分が大きいから、理論上そうだってのと、実際どうだってのは、実地をやってる人の方がそりゃ説得力があるわな。
ただ、効いた効かないってのもかなり主観的なものなんで、評価は難しい。私は眠剤としてよく胃薬を出していたが、結構効いてた。でも、最近はクスリの管理が厳しくなってるから、そんな牧歌的な時代の話はもうできないだろうな。
産婦人科の分野、特に産科は投薬に関してはかなり特殊で、まず「胎児に影響がない」ことを大前提にするから、効くかどうかってのが二の次になる、という不思議な科。たとえば、妊婦さんが咳がひどいとして、「咳止め下さい」と言われたときに、「このクスリなら、効かないかもしれないけど、胎児には影響ないから」って説明すると、有り難くもらってくれる。他科で、「このクスリ、効かないかも」って言ったら、「効くクスリだせや!」ってツッコまれると思うんだよね。よく話題になるのは、「流産止めのクスリ」ってやつで、そんなものは存在しないんだけど、妊娠初期の出血に、子宮収縮抑制剤の他に、アドナとか出しちゃったりして。「止血剤だけど、ホントに流産だったら効かないよ」とか言って処方すると、すごく低い確率で、出血が止まったりして、妙に感謝されちゃったりする。アドナが効いたのかどうかは不明。ホントの流産は止められないからね。アドナ飲まなくても、出血止まった可能性は高いと思うけど、本人が信じて飲むというところが大事なので。
医療も、信じて受ければ、もう少しマシなのかも知れないけど。最初から疑ってかかったら、治るものも治らないような。ま、医療従事者が、患者さんから信じられるように振る舞うことから始めなきゃですけど。表面だけ取り繕っても、多分、内面から滲み出るものはあるだろうからなぁ。まずは人間力だな。