気前よさと自己防衛

そもそも、里帰り分娩という仕組みは、医療ソースとして、他の地域から来た人に、気前よく分け与えるシステムだったと言えないでもない。それは、自分の地域からもどこかへ里帰って行く人もいるわけで、お互い様、という感じだったわけだ。そういう状況のもと、
http://www.shinmai.co.jp/news/20071105/KT071104ATI090002000022.htm
【魚拓】信濃毎日新聞[信毎web] 飯田市立病院が、里帰り出産受け入れ来春から中止
このニュースを読むとどういうことになるか。どこかが始めるだろうな、と思ったけど、やはり始まったかな、という感じ。もう他の地域に分け与える余裕は無く、自分の地域を守りに入ったわけだ。これまでも、「余裕」があったわけではないけど、「お互い様」だと思っていたからこそ、何とかシステムとして守っていたわけだが、もうそれさえも出来なくなった、と。「応召義務」の考え方からすると、里帰り分娩の制限はかなり微妙だと思うんだが、それでも制限する、となればかなり本気だろう。「産科診療は基本的に自費だから、応召義務は関係ない」的な考え方がもし通用するなら、産科は医療側が妊婦を選択し、あぶれてしまった妊婦が強産テロに走るという状況にすぐに陥るだろう。実際問題、一部の産院では、分娩料を上げることで経済面での妊婦の選択がすでに実質的に始まっている。
もう、最終段階に来ていることが実感される。