奈緒子

最近みた映画の話。
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id329297/
みた感想は、「微妙」。原作を知ってる人は、「なんだこりゃ」と思うだろうし、原作を知らない人は、「なんだこりゃ」と思うだろう。私は原作を連載のリアルタイムで追ってたクチで、原作の方は、文庫になっても全25巻、2時間そこそこの映画の枠で入りきる作品でないことはわかりきっていた。原作の世界観を忠実に再現するなら、「北の国から」ぐらいのスケールじゃないと表現しきれないだろう。だから、映画になると聞いたときから、都合のいい役名とエピソードを切り貼りしたストーリーになるんだろうな、と思っていたが、まさにそうだった。西浦が不治の病であること、それを雄介が知ってしまって、何とかチームを優勝に導こうとしてチーム内で孤立してしまう。そこには、「西浦の馬鹿馬鹿しいまでの優しさ」と「雄介の悲しいまでの優しさ」があるはずなのだが、そこらへんは全く表現できていなかった。また、最初の駅伝のシーンで、奈緒子が差し出した水を拒否する雄介のシーンがあったが、原作の雄介はそんな子ではない。雄介の原作のキャラクターを全く理解していないのか、映画用に作り替えたのかは知らないが、その時点で原作の根底に流れるテーマを大きく取り違えているといえる。原作を流用した別の作品、という理解ならおk、と思うが。但し、俳優のキャスティング自体はそんなに悪くなかった、というか、かなりイメージにあった役者さんを揃えていたので、脚本と編集の問題なんだろうなぁ、と思う。