初期〜5年目までの研修について

私は産婦人科の専門医を持っているので、少なくとも5年以上は医師免許を保持してるわけで、少なくともスパロテ世代ではない。良く読ませて頂いているブログの最近の記事価値観の変遷 - Dr.Poohの日記インスパイヤされてこの記事を書いている。

確かに「鉄は熱いうちに打て」という教育方針は医師としてのキャリアを正しく方向付ける上で大事なことですが,ある程度基礎が固まったあとの専門性の高い業務に集中すべき時期になってもなお奴隷労働に縛り付けられる現状は,百害あって一利なしだと思います。

これは激しく同意。新研修制度の研修医の方々の労働を改善すべく、中堅の労働が強化されて医療は崩壊してくのでしょう。でも、これまでの労働が激しすぎただけなので、研修医にもっと働け、というつもりはないです。研修医のうちにこなした労働量以上のことは、トシをとってからは出来ない、要するに後になってからキツイ労働をさせようと思っても出来ないので、今の研修制度で労働量が減った状態の方々が中堅になっていったら、多分、中堅も適正労働量になっていくんだと思います。その時に医療がどうなってるかは知らないですが。
で、私は、比較的重労働をした世代ではあるんですが、学ぶことも多くて。年次が低いうちから、いろんなこともさせてもらって、いい経験をしました。ただ、今なら、医療を取り巻く状況がかなり厳しいですから、何か起こった時のことを考えると、自分が上司だったら多分やらせないし、世間でもさせてもらえないだろう、ということになると思う。そういう意味では、今の世代の若い医師たちは、「技術者」としてはあんまり恵まれてない環境にいると思うが、「労働者」としてはまだマシ、なんでしょうか。

研修医にしても,目の前にいる疲労困憊して余裕のない中堅医師が自分の将来の姿だと想像すると,夢も希望も持てないのではないでしょうか。

いいロールモデルを探すことが、夢とか希望を持つ、あるいは人生設計を立てるのには必要でしょう。ただ、自分の人生、どこかから、オリジナルな人生になってしまうのは仕方がないですよね。私は専門医を取ったあたりから曲がっていったわけなのですが・・・自分の人生には自分で責任を取らねばならないので、後悔しないような研修生活・医師生活を送ることが重要でしょう。だから、周りがどうこう言うのは関係ない。若い人たちも、上司から「俺たちの若い頃は・・・」みたいに言われても、気にせず自分の信じる道を進んで欲しいですね。