インセンティブ

アメリカ政府がAIGに対して資金注入をした件で、高額のボーナスが幹部に渡っていて、大統領・議会・国民激怒、という話。会社の言い訳は、「利益に対するボーナスではなく、金融の専門知識をもつスペシャリストを会社に引き止めるために必要で、これは金融ショックの前から決まっていた支給だった」というもの。それでも、ボーナスをもらってから辞めた幹部もいるらしく、事態は混迷。議会は90%課税なんて法案を通すし、なかなかオソロシイ。
医療でも司法でも金融でも何でもいいんだが、専門的・高度な知識を持った人にそれなりの報酬を支払う、というのには賛成だ。しかし日本では、知識に対する尊敬というものはあんまり無いようだからなかなか難しいだろうけど。ただ、もらう方の立場だったら、沈む船からはもらうもんもらって辞めよう、と思うだろうから、高額のボーナスをもらってさっさと逃げるというのはある意味正しいといえば正しいし、それが公的資金かどうかなんて貰う方にとっては何の関係ないしな。異動の多い医師の皆さんは、春に異動しろと医局に言われて、ちょっと粘って6月のボーナスを貰ってから異動したこともあるでしょう。まあ今回のAIGとは額が違うけどね。
いずれにせよ、この件の取り扱いはすごく難しいね。日本のマスコミが面白がってその高額ボーナスの話を叩くのが目に見えるようですが。