ルポ 産科医療崩壊

ルポ 産科医療崩壊 (ちくま新書)
内容(「BOOK」データベースより)
産科医が自らを語るのに使う枕詞がある。絶滅危惧種―。保護してももう手遅れ、産科医が日本から消えるのを止めることはできない、という自嘲の言葉だ。医師も産める場所も激減した背後でお産難民や妊婦“たらい回し”などが急増している。そして、激務に喘ぐ新生児科。少子化の危機が叫ばれるいま、周産期医療の現場では、何が起こっているのか。これから産み、育てる私たちはいったい何ができるのか。

内容的には、医療事情ウォッチャーの人たちにとっては特に新しいことはない。著者の軸丸さんは、医療寄りでも患者寄りでもなくあくまで中立的な立場で書いている、ということだが、読んでいるとどちらかというと医療側の主張に沿っているところが多いように思える。ということは、医療側、患者側の双方の主張を公平に見ると、やっぱり医療側の主張の方に多少なりとも分がある、ということなんだと思う。
一般向けの書籍としてはまあまあ分かりやすく書いているので、これを一般向けのテキストにしてしまって、妊婦さんが必ず読まねばならない必須の書籍、ということにしてしまってもいいくらいだと思う。妊娠が確認されたら、「では、この本を購入して読んで下さい。下の売店でも売ってます。読み終わって、チェックリストで理解度を確認させて頂きます。内容を理解されていると認定されましたら、分娩予約を受け付けさせて頂きます」みたいな感じ。あ、そうすると年間100万部の大ベストセラーになってしまうな。印税は「おぎゃー基金」にでも寄付して頂けるとありがたいですな。