どこでも批判

ちょっと前のことだが、仕分け事業という名の公開処刑が行われてまして、まさに文化大革命なんだが、科学研究分野への影響は少なくない。最近は、どこの講演会に行っても、立派な研究成果の発表のあとで、「でも仕分けられてるのでどうなるか分からない」という講演を聴くことが多くなりましたよ。私も最近とあるところで話をする機会があったんだが、「仕分け」のネタを入れると、必ずオーディエンスの笑いが取れる。プレゼンは内容を伝えるとともに5分に1回は笑いをとってナンボ、と常々思っている私にとってはしばらく使えるいいネタ、とでも考えなければやってられん。
先日、別の立派な講演を聴いたあとに演者の先生とちょっと話をしたのだが、演者の先生曰く、「何の役に立つかといえば何の役にも立たないですよねぇ」とのこと。研究ってのは殆どが多分そうなんじゃないかな。その中から、時々、いやごく稀に、キラリと光るネタがあって、それをいかに見つけるか、見つけてどうするか、ってのが大事なんじゃないかと。まあ、科学者の説明責任みたいなのもあると思うので、積極的に国民にアピールするのも必要かとは思いますが。でもね、医療の話と同じで、ちゃんと聞いてくれる人はあまり多くないんですよね。「技術的な話は聞きたくない」とか「専門的な議論に終始してしまった」とか。でも、言っておかないと、「言わなかったでしょ」とか言われて責められるんだろうから、誰も聴いてなかったとしても一生懸命アピールすべきなのかな、と思ってもみたり。