とりごろうウォッチング

先日のエントリ以来、http://d.hatena.ne.jp/torigoro/を観る機会が増えてきた。事情の分かってない人に、医師(と思われる人)たちが集まって一生懸命説明している感じ。でも、相手はあんまり分かってなさそうだけど。
その中で、6月7日のコメント欄の、「がん内科医」さんの文章が素晴らしい。あくまで冷静、しかし、熱い。

 もし今後、torigoroさんに機会があったら、500人の医療者のインタビューをするよりも、3ヶ月でも市中の医師とともにすごし、同じ時間、同じ術野で、同じ視点で患者が治らない、患者を失うという同じ苦悩を、ともに見てそれを報道として伝えていただきたい。なにしろわれわれでは、今回の事件で報道されたように、「身内のかばいあい」と謗りを免れない。

 私たちは、自分たちの現場や技量を誇りにし、それをしばしば口にします。多くの患者さんが、密かに私たちに遺し託した命があると、私はそう思い日々診療しています。私たち自身が患者さんが生きた証であったと、そう自負するからでもあります。得た技量を生かすことは、すでに失ったものを遺していく密かで大事な使命だと、私は思っています。
 われわれ臨床医は、現場で感情を織り込まずに仕事をしたことのない人間はおりません。最善を尽くして亡くなられた場合も、患者が若ければなおさら、医師は必ず苦しみます。時に号泣します。時に何ヶ月も何年も引きずります。時に一生を変えるほどの大きな出来事です。
 K医師に対して私が感じたのは、彼もこの事件で苦しんだ一人だろういうことです。彼が正しくとも間違っていようとも、彼は患者とともに泣き笑い診療を続けてきた医師であり、その意味で同じ仲間です。それが私たちの共通した医師としての生き方であるということを、改めて申し上げたいと思います。

読んでてちょっと泣きそうになりましたよ・・・