尾鷲の件。

結局、契約更新しなかったみたいね。値切ったらしいし。行政の認識は、その程度、ということで。リンクが見つからないので、m3.comからの記事引用。

これに対し、産婦人科医はこれまでと同額の報酬に加え、月1回の定期休暇を求めているという。

この記事を書いた記者は、この一文に違和感を感じないのであろうか。24時間365日働くのは当然なんだろうか。労働基準法とか、法に触れる勤務形態を記述してしまってはいないか? それなのに、値切るという行政側の考えがよくわからん。

同病院には、24時間泊まり込みで対応できるよう分娩室の隣に生活スペースを設け、助産師も3人から4人に増やして医師のサポート態勢を強化していた。

さもこれで十分という書き方だが、「24時間泊まり込みで対応できるよう分娩室の隣に生活スペースを設け」なんて、かなり過酷な勤務と思わんか? 助産師が3人から4人に増やしたことは、十分なサポート態勢なのか? この記事からは読み取れんなぁ。
<追記>中日新聞の記事発見。三重・尾鷲市、産科医との交渉決裂

男性医師(55)は報酬の現状維持に加え「休みは年末の2日間だけだった」として休日の補償などを訴えたが、

うう、363日働いたんですね。

伊藤允久市長は記者会見で「30日の協議で現行の維持まで譲歩した。しかし休日の補償など条件面で折り合わなかった。医師も心身ともに疲れたと言っている」と説明した。

今年と同じだけカネをやるから、今年と同じだけ働け、ということなんですね。

「後任の候補は現段階では見つかっておらず、10月以降は休診の可能性が高い。今後は三重大に掛け合うなど医師確保に全力を尽くす」とした。

そんなところに三重大が人を出すとは思えません! っていうより、どこからも行かないでしょ。
<追記2>伊勢新聞のはもっとすごかったよ。

一部市議の「三千万円出せば大学病院の助教授が飛んでくるのに、四千八百万円は高過ぎる」「津で開業したころのうわさもいろいろ聞こえてくるのに」などの意見を知った医師が「残る気持ちをなくした」という。

ここまで言われて残る理由もないわな。ところで、3000万円出せば飛んでくる大学の助教授って誰? もう飛んでこないんじゃない。

伊勢新聞Web>産科医と契約できず 市立病院産婦人科10月から再び休止 尾鷲市
【尾鷲】尾鷲市の伊藤允久市長は三十一日の会見で、尾鷲総合病院に迎えた産婦人科医師との交渉決裂の原因が報酬額の折り合いではなく、医師の高額報酬への攻撃、中傷が原因との見解を示した。五嶋博道病院長も「報酬の条件もあるが、気持ちが切れた方が大きい」と認めている。
 伊藤市長によると、七月中旬から八月中旬までの二年目の更新交渉で、「最長で来年三月まで残る、と医師から言われていた」といい、同市長が八月二十一日、市議会に交渉経過を説明し、二十五日に再度開いた市議会委員会で交わされた、一部市議の「三千万円出せば大学病院の助教授が飛んでくるのに、四千八百万円は高過ぎる」「津で開業したころのうわさもいろいろ聞こえてくるのに」などの意見を知った医師が「残る気持ちをなくした」という。
 伊藤市長はこれまで「医師は非常に責任感が強く、交渉が不調に終わっても、三カ月は残ってくれる」と繰り返していたが、八月三十日夜の交渉で、医師は市議会での議論を引き合いに出し「気持ちが続かない。九月中の出産予定者までは引き受ける」と期間短縮を申し出た上「事故があったら大変だから」と語ったという。

契約交渉が難航 産婦人科医、報酬減に反発 三重・尾鷲総合病院【2006年8月23日】
揺らぐ医の足元:三重・尾鷲総合病院、契約交渉が難航 産婦人科医、報酬減に反発
 三重県尾鷲市の伊藤允久市長は22日の記者会見で、今月末で期限が切れる市立尾鷲総合病院・産婦人科医の契約について、報酬面などで折り合わず、契約交渉が難航していることを明らかにした。
 同病院産婦人科には三重大医学部が常勤医師2人を派遣していたが、同大は昨年6月から医師減少を理由に2人を引き揚げた。このため同市が昨年9月、独自に年間報酬5520万円の契約で医師1人を確保し、診療を継続している。
 市によると、契約は1年ごとで、7月中旬から交渉を開始した。▽医師の着任後、出産数が前年比約80人減ったことに伴い、赤字幅も約2700万円増えた▽他の診療科医の給与(年平均1500万円)と格差が大きい----などを理由に、1年目より720万円低い4800万円を提示した。
 これに対し、産婦人科医はこれまでと同額の報酬に加え、月1回の定期休暇を求めているという。
 伊藤市長は「1年の実績などから4800万円が提示できる限度額で、医師にも理解してもらえる額と考えている。議会の意見も尊重し最終判断したい」と話している。【七見憲一】

尾鷲市、産科医と契約更新せず 「報酬額で折り合えず」【2006年8月31日】
揺らぐ医の足元:産科医と契約更新せず 「報酬額で折り合えず」----三重・尾鷲市
 三重県尾鷲市の伊藤允久市長は31日の記者会見で、この日で契約が切れる市立尾鷲総合病院の産婦人科医と、2年目の契約を更新しないことを明らかにした。伊藤市長は「最終的に報酬額で折り合いが付かなかった」と説明した。
 今後の産婦人科医の確保については「三重大学にお願いするなどし、医師確保に向け最大限の努力をしたい」と話した。
 市立尾鷲総合病院では、産婦人科医の派遣元である三重大医学部が医師減少を理由に常勤医師2人を引き揚げたため、昨年6月から分娩(ぶんべん)を中止せざるを得なくなった。
 地域の妊婦は遠方の病院で出産するしかない事態となり、尾鷲市は昨年9月、年間報酬5520万円で、津市からこの産婦人科医を招いた。同病院には、24時間泊まり込みで対応できるよう分娩室の隣に生活スペースを設け、助産師も3人から4人に増やして医師のサポート態勢を強化していた。

中日新聞>三重・尾鷲市、産科医との交渉決裂
10月から再び不在に
 三重県尾鷲市は31日、この日で1年の契約が切れる同市の尾鷲総合病院の産婦人科医の男性との契約延長交渉が決裂したと発表した。市は5520万円の現行報酬の減額を提示し、男性医師(55)は報酬の現状維持に加え「休みは年末の2日間だけだった」として休日の補償などを訴えたが、溝は埋まらなかった。
 市側は契約更新に当たって、報酬を4800万円とするよう要求。伊藤允久市長は記者会見で「30日の協議で現行の維持まで譲歩した。しかし休日の補償など条件面で折り合わなかった。医師も心身ともに疲れたと言っている」と説明した。
 今後については「医師から9月に出産予定の患者については責任を持つと言われている」と明かしたが、「後任の候補は現段階では見つかっておらず、10月以降は休診の可能性が高い。今後は三重大に掛け合うなど医師確保に全力を尽くす」とした。
 同病院は三重大医学部から産婦人科医の派遣を打ち切られ、昨年9月に男性医師と独自に契約を結んだ。しかし、給与面などほかの医師との格差や出産数の減少を根拠に減額を要求する市と、超多忙な勤務実態から現行額の維持と月1回の週末休みを求める医師との間で交渉が難航していた。