一罰百逃

県立大野病院事件で被告となってしまったK先生のインタビュー記事が出ている。ちょっと手抜きして、いつもお世話になってますブログにリンク。
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/01/post_c25d.html
読むと、この先生の誠実さが伝わってくる。もちろん記事の書き方にもよるとは思うけど。某巨大掲示板では、こんなに誠実なのはもう今の時代では損だ、みたいな論調も無くは無いが、世の中に数少ない(かも知れない)「いい先生」のうちの一人であることは間違いあるまい。ぜひ、このインタビュー記事を読んで欲しい。
医療事故について、起訴するとか、罰するというのは、一罰百戒的な意味合いがあるという。ならば、この先生を逮捕して起訴したのは大きな間違いだ。一罰百戒で、捕まえるなら、私も含めて、もっと悪人な医師がいっぱいいる(はずだ)。なぜ、よりによって、この先生なのか。おかげで、一罰百戒、もう悪いことはいたしません、と医師が改心するどころか、一罰百逃、多くの医師が現場から逃散するに至った。
初公判後に、検察が異例のコメントとやらを出している。

一方、福島地検側は公判終了後、「我々としても医療関係者が日夜困難な症例に取り組まれていることは十分認識している。しかし、今回の事件は、医師に課せられた最低限の注意義務を怠ったもので、被告の刑事責任を問わなければならないと判断した」とする異例のコメントを発表した。

いかにこのコメントが空しく響いているか、検察とか警察とかそういうところは、空気読めないんだろうか?
百歩譲って、もし、どうしても誰か捕まえて罰しなきゃこの国の医療が改善しないと思っているのなら、誰かをスケープゴートにするのもいいだろう。ただ、もう一度言うが、それならそのスケープゴートはこの先生では絶対にない。