ダウト!

http://blog.kahoku.co.jp/osansos/2007/02/post_15.html
東北の新聞の連載。第一部は現場の苦悩で、どうなるかと期待されたが、第二部は患者側の苦労編になって、よく見る普通の記事に。で、今日の記事は見事にダウト。

 2006年10月下旬、市立扇田病院の助産師外来が初めて迎えた妊婦だった。
 血圧や体重を測り、採血、超音波を使った画像診断。

記事の始めからいきなりダウト。助産師が超音波診断することは法律上出来ないでしょう。超音波で何か見ることは許されるかも知れないけど、それを使って「診断」するのはダウトかと。
と思って、記事を読み写真をみると、

【写真説明】超音波診断を受ける本間さん(右)。ひたむきな助産師の情熱が妊婦の心に安らぎをともす=大館市立扇田病院

何のことは無い説明だが、写真をよく見ると、超音波の機械に何か映ってはいるが、実際に助産師が使ってるのはドップラだったりする。ドップラで「超音波診断」ってのもねぇ・・・まあでもこの病院には産科は無いらしいから、助産師だけで超音波やってるって解釈でOK? まあ結局、記事書いてる人もあんまりわからないまま、何となくいい雰囲気が出るように記事書いてる、ってことがハッキリしてきたよな。
ついでに言うと、「ひたむきな助産師の情熱が妊婦の心に安らぎをともす」って文章は「写真説明」なのかどうかってのはツッコミどころ満載だと思うのだが、イメージ写真ということで解決することにする。ホントはそうじゃないと思うけど。
以下は記事。

(4)頼りは助産師/不安解消へ 増す存在感

 大館市の本間里美さん(21)は廊下のソファで待つ夫(24)と娘(1つ)に笑顔を見せると、妊婦健診に向かった。
 2006年10月下旬、市立扇田病院の助産師外来が初めて迎えた妊婦だった。
 血圧や体重を測り、採血、超音波を使った画像診断。「逆子体操しっかりやろうね」「貧血をこれ以上進めないように。緑の濃い野菜がいいですよ」。たっぷりと会話を挟みながら、健診はゆっくり進む。
 「とても丁寧に診てくれた。何でも話せる感じ。医師がいなくて大丈夫かなと思ったけど、安心しました」。一時間半後、里美さんは満足そうに家路に就いた。

 扇田病院は2カ月前、秋田大の常勤医派遣打ち切りに伴い、産科を休止した。年約500件の分娩(ぶんべん)を支えてきた助産師11人が残された。
 宙に浮いた産科医療の貴重な人的資源。市内で唯一の分娩施設となった市立総合病院にとっても重大な関心事だった。産婦人科部長の高橋秀身さん(56)は「扇田の助産師は非常に熱心でレベルが高い。活躍の場をつくろうと思案を重ねた」と振り返る。
 扇田病院について院内助産所を設置したり、総合病院の医師が出張したりする案も浮かんだ。助産所を利用する妊婦はいるか。医師の負担が大きくならないか。懸念材料も多かった。結局、助産師8人が総合病院に異動した。
 扇田病院では24―37週の中期健診を担う助産師外来と母乳・育児外来を助産師3人で始めた。その1人、高田昭子さん(41)は「責任とともにやりがいをすごく感じる」と今も充実している。一方で複雑な思いも抱く。「分娩にかかわれなくなったのは切ない。わたしたちは『産婆』ですから」

 総合病院に移った菅原光子さん(44)は地域の妊産婦たちに、携帯の電話番号やメールアドレスを刷った自前の名刺を配ってきた。
 相談は四六時中寄せられる。休日は性教育や育児サークルで地域を回る。「点ではなく、線で妊産婦を支えたい。仕事は病院の中だけでは終わらない」。頼りにされている分だけ、菅原さんも頑張れる。
 本間さんは12月下旬、扇田での健診を終えた。1月上旬、総合病院で二女を出産した。「助産師さんとは、すっかり顔なじみになった。出産後も電話をくれる。心配してくれるのがうれしい」。感謝と信頼があふれる。
 不安が増す妊婦の心の中で、大きくなる助産師の存在感。それは医師不足の進行を示す証左でもある。

【写真説明】超音波診断を受ける本間さん(右)。ひたむきな助産師の情熱が妊婦の心に安らぎをともす=大館市立扇田病院
(2007/02/07)