医療従事者の医療従事者による誰かのためのドラマ

2007-02-221)で見て、元のhttp://diary.b-r.under.jp/?eid=1732412)を読んで、その発展型のhttp://genb.dip.jp/es/modules/news/article.php?storyid=503)にたどり着きました。
企画としてスゴく面白い。コメント欄もにぎわってる。医療ドラマ大好きのワタクシはすぐ食いつきましたよ。
で、3)の企画がすごくよく出来てたので、引用します。

ヒロインとして番組制作会社勤務の女性を想定。
当初はヒロインは医者や医療に対してステレオタイプな悪印象と悪意を持っている。

第一話:主人公である医師と病院の紹介。とにかく激務。人手不足になった時にたまたま外来でやってくるヒロイン。長時間待たされイライラの募るヒロイン。そのうえ診察時間が短い。主人公とヒロインはそれに関して口論になる(この辺のくだりとかで診療時間の短さは怠慢ではないこと。診療時間を延ばすと必然的に待ち時間が増えることなどの実情を織り交ぜるといいかもしれない)。

第二話〜四話:ヒロインが特番作成のため病院に検査入院をする。この間にぼちぼち事件など起こりヒロインの誤解が解けていく。しかし番組制作会社の意向はあくまで病院、医師、医療を悪者にした番組作りであり女性の葛藤など描かれたり。主人公とヒロインの距離が縮まる。

第五話〜六話:夜勤の間に入ってくる急患。この辺は既存の事件を基にする。五話で不幸にも患者が亡くなる…か何某かの障害が残る。

第七話〜八話:マスコミによる病院たたき。五話や六話でのドラマ内での事実と患者(の家族)の話、マスコミで報道されている内容の差などを出すと面白いかもしれない。事実に対して医者側と患者側は各々の立場で違った側面から語っているために食い違いが出る。報道は患者側の話だけを「正」として誇張したり懇意的な構成にするために事実と食い違いが出る。
そして報道側にいるヒロインと主人公の関係などでドラマ性を出す。

第九話〜十話:家族から起訴される主人公。起訴されマスコミや世間から叩かれる主人公。しかしそれでも患者たちのために懸命に自分の職務をこなす。それと同時に湧き上がるやるせなさ。そして医師たちの間に広がる危機感や不安感、空しさ。医療崩壊への序章? しかし少数ながらネットなどで一般にも医療界の実態を知り主人公を支援する動きが見え始める。またヒロインも自主制作のドキュメントを作るが当然制作会社には受け入れられない(辞表出す?)。

最終話:裁判の日。ヒロインがドキュメントをネットで公開したり支援団体が動き始めたり。しかしまだマスコミや大多数の人は主人公に対して叩いてくる。ラストシーンは主人公が入廷し裁判が始まる場面。今後主人公はどうなっていくのか? という状態でエンド。またそれは「医療はどうなっていくのか?」という問いかけでもある。

もう殆どできてるじゃん。あとは、台本作りだな。まあ、出来たところで、テレビ局が作ってくれるわけないのですけど・・・
それはともかく、なんちゃって産婦人科医の私としては、ストーリーの医学的設定が気になるところ。主人公の診療科は? 問題となる疾患は? 2)によれば、産婦人科は一人医長がお約束みたいなので、それを主人公にすると何か実話を元にしたみたいになるから敢えて外したいな。その代わり、毎回必ずその産婦人科医は出てくるのよ。「先生、いつも病院にいますね」とか言われて。
で、主人公は外科系、一番一般的にイメージしやすい(?)腹部外科がいいと思うんだけど、皆さんはどう思います? あるいは、侵襲的手技を伴う内科。循環器内科とか? そこらへんの設定から始めないと。で、科が決まったら、逮捕に至る疾患の設定だな。ネットで流れている医師の愚痴を集めるだけでも、小ネタには事欠かないから、なんかすぐ出来そうだけど。
多分、医療崩壊を啓蒙するドラマになっていくんだろうけど、早く作らないと、リアル社会の医療の方が崩壊してしまうので、啓蒙の意味が無くなってしまう予感・・・