癒着という言葉の意味

先の裁判の報道で、「被告は手術前に癒着を予期していた」的な報道があったのだが、裁判の記録エントリなんかを読むと、意味合いが違うよな。それを的確に言い表していたのが、このコメント。
「【福島】不当逮捕された産婦人科医師を救え26」より。

408 卵の名無しさん 2007/02/24(土) 15:23:48 rrz6GuGb0
福島民報、2007年2月24日)より
>外科医は手術前の打ち合わせで
>「(K被告が)『癒着があるかもしれない』と言った。
>どの部位の癒着かは言わなかった」と述べ、
>K被告が手術前に胎盤の癒着を予見した可能性をうかがわせた。

 医者同士でも同じ言葉でも、しゃべっている相手の科で違うことを意味している。
外科医に癒着といったら、子宮が腹壁や腸管と癒着していることを示唆しているだろう。
産婦人科に素人の医者に癒着胎盤なんて、マニアックなことをさして癒着とはいわないと思う。

 たとえば、

外科「ちょっと明日ヘルニア2件だったのが3件にふやしていい?」
麻「こどもだから朝からやってね」

脳外科「すいませんヘルニアなりそうだからやらせて」
麻「何分後におりてきますか?」

整形外科「来週の火曜日の午後ヘルニアいれてもいい?」
麻酔科「ヒップと縦にやるの??朝からやってね。」

と同じ『ヘルニア』でも相手が違うと全然別の病気だ。
 そういう、同じ単語でも意味がかわるということは、普通の人には、わからないことだろうね。

まあ、ギョーカイ用語だと言ってしまえばそれまでだけど。報道はともかく、司法にも理解されなかったら判決とか違ってきちゃうわけだし。困ったもんだ。