助産院は安全か?その2

助産院は安全か。 - S.Y.’s Blogの続き。
先日も、250人に一人は命に関わる分娩、という話があったが、まあ仮に危険なお産の確率が250分の1, 0.4%ということにしようや。ずいぶん少ない見積もりだけどね。
助産院というのは、残りの99.6%の分娩について、「お産はこんなに安全なのにどうして自由な産み方が許されないの?」という人たちで、病院というのは、「0.4%の危険な命を救うために、こんなに万全にしているのに、どうして医療介入とか言うの?」という話。これは永遠にかみ合うワケがない。
病院は、99.6%の人たちについて、医療行為が必要でないのは分かってる。ただ、99.6%の人たちが本当に99.6%の「正常分娩」の人たちなのかは、分娩後でないと分からないのだ。だから、その人たちが本当は0.4%の人たちだったときに困らないように、いろいろやっているわけで。ただ、最近は、そういう目的よりも、もしも0.4%の事態に陥ったときに「裁判になっても突っ込まれないような」、実はあんまり意味がないかも知れない医療を99.6%の人たちに施すようになりつつあることに、気付いてもらいたいのだがなぁ。それを、「防衛医療」と呼んでいるわけで。
じゃあ、助産院が、残りの0.4%についてどう考えているのかは、はっきり言って不明。「何かあったら病院に搬送しますので」って、何かあってからでは遅い場合もありますが何か? って感じ。だから、助産院を選んだ時点で、残りの0.4%にならないように祈るだけ、というのも正直なところではないかと。そういう意味で、いまはやりの、「自己責任」的な問題になってくるんでしょうな。
で、国の産科医療の方針として、どうしたいのか? 助産院推奨ということは、もうその0.4%になったらあきらめなさい、という方針なのか? ハッキリとそうは言わないけど。「適切に搬送を行い、医療行為を受ければ・・・」とかって、そんな紙の上の文言を並べてもしょうがないの。お産は現場で起こってるんですからね。
99.6%の人たちが、助産院で分娩されることに何の反対もありません。テレビでよく取り上げられる自宅分娩でもいいでしょう。ただ、何度も言うけど、99.6%の人たちが本当に99.6%の「正常分娩」の人たちなのかは、分娩後でないと分からないってこと。そして、医療にかからない分娩が増加するにつれ、不幸な結果となる0.4%という数字は増えこそすれ減ることはない、ということをご理解いただきたい。