日本の医療の行く末と国民

統計学にあんまり詳しいわけじゃないのだが、簡単な疫学の話。
ある疾患Aがあって、それに対するワクチンがある。Aに罹患すると、100人に一人の割合で、重篤な後遺症が残る。ワクチンを接種すると、Aに罹患しなくなるが、10000人に一人の割合で、ワクチンによる副作用が起こる。どっちが人々にとってシアワセか?
・・・という単純なことが、日本国民は理解出来なくなってきている。数字は違うが、麻疹のワクチンとSSPEとの関係なんかはまさにそれだろう。10000人に一人起こったワクチンの副作用をセンセーショナルに取り上げて、ワクチンを悪者扱いするのは簡単だよ>マスコミさん。
以前の記事2007-02-19 - S.Y.’s Blogでも書いたが、お産については、医療が、250分の1の死亡率(→単純計算で10万人に400人)を10万人に6人にまで減らしている。で、この残った6人分の医療を取り上げて、全面的に「医療ミス」だと叩くのはたやすい。確かに、医療ミスで死んでる例もあるかも知れないが、どうやっても助からない命というのも存在するわけだ。それを認めないなら、医療自体が成立しなくなるだろうし、医師もアホじゃないから治療死に対する損害賠償対策でガンガン保険に入るだろうし、或は危険な治療は辞める方向に走るだろう。
日本の国民はもう少し賢いと思っていたのだが。何が悪かったんだろうね。