アメリカの医学部は簡単?

他の方のブログのコメント欄で見かけたですが、ちょっと思ったことを。出元は青森に住んで医師になろう: freeanesthe医師不足をどうするか、という話題。

医学部にもっと入学しやすければいいと私は考えています。現に、アメリカのメディカルスクールは、入学資格として、学士号の過程で物理学、化学、生物学を履修するか、医学進学過程 (Pre-Med Course) に進んで物理学、化学、生物学を強化したプログラムを履修することが条件になります。例えば、専攻がリベラル・アーツ、文系でも、一般教養の過程で物理学、化学、生物学の3教科を履修していれば、メディカルスクールに入学する条件を(一応は)満たすのです。
(以下略)

今の研究所で、Pre-Medの若い子たちと一緒に仕事したりしてるけど、アメリカの医学部は、決して入学しやすくはないと思うよ。文系でも行ける、とかいうけど、理系科目も勉強しなきゃだし。入学資格としては、決してラクじゃないと思うし、面接とか試験とか、決して簡単じゃなさそうよ。なんてったって、それなりに「大卒」じゃないと、医学部受けられないわけですから。
その点、日本の医学部は、受験資格が「高卒」だから、かなりラク。医学部に入ってからも、アメリカで4年間で駆け抜ける内容を、日本じゃ濃いか薄いか、6年間かけるから、クラブ活動も出来るでしょ。今だって「ゆとり教育で学生の質が・・・」とかいわれかけているのに、門戸を広げたら、医療教育の現場は大変なことになると思うよ。
まとめると、

医学部の入学しやすさ(入学資格)は、日本の方が圧倒的に緩い。それでも入学しにくいと言うなら、単に競争率(定員)の問題なので、それは国策。

「ペーパーテストばかりでなく、人間性を」とかいう議論もあるようだが、まあそれは話が長くなるからまた今度書くことにするとして、短く言うなら、「ペーパーテストすら出来ない人だと、ちょっと医師としてはアブナイのでは」とだけ言っておく。まあ人間的にアブナイ医師も(私を含めて)それなりにいるとは思いますが。