おかしくない?

各地で取り上げられる記事です。私が取ろうとする前からきっちり魚拓取られてるのがwwwって感じ。
札幌在住信者が説く「エホバの証人」の輸血拒否と無輸血治療 前編 メッセージ
札幌在住信者が説く「エホバの証人」の輸血拒否と無輸血治療 後編 メッセージ
まあツッコミどころはいっぱいあるんだけど、やはり皆さん御指摘のように、

エホバの証人が輸血を拒否する主な理由は宗教上の理由であり、医学的な理由ではありません」

と言っておきながら、中途半端に間違った医学的解説をダラダラとしているところが問題でしょうね。

輸血は一種の組織移植なので拒絶反応のために免疫機構が抑制され、その結果感染症にかかりやすくなったり、癌が再発しやすくなったりします。例えば、雑誌「ガン」(1987年2月5日号)は結腸癌患者の場合「輸血した患者の48%、輸血しなかった患者の74%が約5年間、生き延びた」と述べています。また南カリフォルニア大学の医師たちは「口腔、咽頭、鼻もしくは副鼻腔のガンが再発する割合は、無輸血の場合が31%、輸血を受けた場合は71%だった」と述べています。

輸血を受けた症例の病期とかを全く無視した解説、ありがとうございます。医師同士の発表なら、こんな発表の仕方したら叩かれまくって恥さらしもいいとこなんですが、一般向けの記事に一般の人が発言するとあっさり通ってしまって、世間の人も「ふーん」って納得しちゃうとしたらコワイことだよな。「南カリフォルニア大学」って言うと、アメリカだし、何か有り難い感じがしちゃうってのもミソでしょうね。まあ挙げられてる数字の内容自体は事実のような気もしますが、解釈の問題でしょう。

 ――北海道の信者で過去に輸血を拒否して死亡した事例はあるか。

 米沢 輸血をしていれば助かっていた、という症例は聞いていません。輸血を受けず、結果的に死亡した場合でも、それは必ずしも輸血を受けなかったことが原因になっているわけではありません。一方、無輸血で危機的な状況を乗り越えた事例がいくつもあります。最近では、慢性骨髄性白血病の女性患者が無輸血治療で再発を乗り越えて2度目の寛解を迎え、解放に向かっている事例があります。

「解放」>「快方」デスね。何か拘束から解放みたいな印象でちょっとウケた。
それはともかく、氏が聞いていないだけで、世間には輸血をしていれば助かっていた症例は山ほどあると思います。無輸血でうまくいったとしても、それは単に一例報告でしょうから、エビデンスレベルとしてはかなり低いと思います。ここら辺の構造は、自称医療被害者団体と似ている。その治療でうまくいった人たちは全然文句言わないけど、うまくいかずに医療被害を受けた人たちは団体を結成して気勢を上げるから、どうしても悪魔の治療法みたいに印象づけられてしまうんだな。
まあその他いろいろツッコミどころはあるから、どうぞ読んで下さい。彼らの団体のいいところは、無輸血治療の結果患者が不幸な転帰をたどっても、決して訴訟沙汰にはならないところだな。これが、「ムリにでも輸血して救命すべきだった」なんて訴訟起こされたらタマランけど。そっちの方が「輸血してでも命を助けたい」と思ってるフツーの医師の良心としてはラクだけどね。
輸血の問題に限らず、医療界には「じゃあどうしたらいいっちゅうねん!」っていう問題多すぎ。決して患者さんたちのためにならない方向に医療が進んでいることに、国民の皆さんはいつになったら気付いて頂けるのでしょうか。

<追記>あんまり深入りするつもりないんですけど、公式ページhttp://watchtower.org/j/hb/index.htmに同じこと書いてあった。よって彼らの出典はここかと。でも、そのページをサラッと読むと、

神の民が血によって自分の命を支えることを拒むのは、それが健康を害することだからではなく、それが神聖を汚すことだからです。血が汚染されているからではなく、血が貴重なものだからです。

だとさ。キレイなのかキタナイのか、どっちやねん! ワケ分からん。もう頼むからシンプルに、「イヤだから死んでも輸血しないで下さい」に統一してくれ。