シカゴ交響楽団演奏会

アメリカの五大メジャーオーケストラといえば、ボストン交響楽団ニューヨークフィルハーモニックフィラデルフィア管弦楽団クリーブランド管弦楽団、そしてシカゴ交響楽団を指すんだと思うんですが、それぞれを地元のホールで聴こうというこの企画(?)も今回のシカゴ交響楽団で最後です。無事に五大オケ制覇、ということで。
プログラムは、最後を飾るにふさわしく、

指揮:Bernard Haitink

プログラム
 プーランク:Gloria
 ラヴェルバレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲

という濃い目のプログラム。
ホールのすぐ横にSymphony Storeがあって、グッズがいろいろ売ってる。その中で、CDを1枚購入。今年の5月の演奏で、通販かこのSymphony Storeでしか買えないブルックナーの7番のライブCD。今、聴きながら書いてますが、いいなぁ。何枚か持ってるブルックナーの7番の中でも、お気に入りの方に入るかも。ちなみに、これまでで一番のお気に入りは、Bruckner: クナッパーツブッシュ・ウィーンフィル1949年の演奏で、ホントにウィーンフィルか?と怪しさ満載のディスク。
それはともかく、Storeで散財した後は、いよいよHallへ。今回は20ドルの席で、見事に天井桟敷。それも最後列。後ろを気にせずに自分の好きな姿勢で聴けますよ。
前プロのプーランクは、弦が8-7-6-5-4、正統な3管編成。合唱団は150人、大きめだ。ソロも合唱も素晴らしく、いい演奏であった。トランペットが高音を当てきれてないところがあったのが惜しまれたが、許容範囲だと思う。
休憩をはさんで、メインはダフクロ。冒頭の弱奏部分から非常に引き締まった演奏で、名演を期待させた。トランペットは今度は本当のトップの人が吹いてるみたいで、サウンドが前プロと全然違う。管楽器は、シカゴ響のこれまでのイメージとは異なり、うるさかったり出過ぎたりしてる感じは無い。いいバランスで鳴ってるような気がする。天井桟敷で聴いてるので、むしろ音がこもってるような感じ。値段が高い下の方の席で聴いたら違うのかも知れない。ホルンは、高音で弱く吹く部分が多いのだが、最初の方のソロでちょっと失敗してから、負の連鎖が始まったようで、階段を転げ落ちるようにドンドン崩れていった。オソロシイのは、天井桟敷の人々が、ホルンが音を外すたびに、顔を見合わせるっていうか、何だかキビシイ冷たい態度を見せること。これは、他のホールではあまりなかったなぁ。シカゴは、聴衆がオケを育てているのかな。
後半も安定した演奏、Flのソロは絶品。自由自在という感じだった。これはハイティンクも気に入ったようで、最後の答礼の時にはFl奏者を指揮台の横まで出てこさせて礼をさせてたくらい。あと、Trpの首席の人がソロで答礼。当然、Hrの人はなし。キビシイなぁ。
全員の踊りの爆発具合も、全然うるさくないし、むしろ冷静に音楽を積み上げてる感じだった。最後の音もむやみに長かったり変なcresc.かけたりもしてないし、非常にスコアに忠実な音楽を堅実に演奏しているように感じた。シカゴといえば金管バリバリ、イケイケドンドンみたいな印象だったのだが、やはり五大メジャーにふさわしい演奏をするオケであると言えよう。充実した演奏会でした。