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<名古屋市立大汚職>伊藤容疑者の「名誉教授」取り消しへ(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
多くの医師にとって、医学博士号は、「足の裏の米粒」と揶揄される。「取らないと気持ち悪いし、取っても食えない」からである。だから、持ってることが重要なのに、これを取り消しにされると痛いだろうなぁ。多くの博士号所持者は、学位が取り消しになったからじゃあ別のテーマで再度学位取得にトライする、なんてことは難しいだろう。中には、学位審査を10回やってもまだおつりがくるぐらい論文や研究テーマを抱えている人もいるだろうが、そんなのはまさに少数派。全国的に、「お金払った人は学位取り消し」みたいな流れになると、スゴいことになるだろうな。
まあこの件に関しては、私は当事者では無いからいいようなものの、医療界にいる限り、いつなんどき自分が何かの問題の当事者になるか分からないという恐怖はあるよな。粛々と暮らして行きますよ。えっと、留学中に修行してたからって問題にはならないですよね?

以下は記事。

名古屋市立大汚職>伊藤容疑者の「名誉教授」取り消しへ

12月7日15時4分配信 毎日新聞

 名古屋市立大学大学院医学研究科の博士論文審査をめぐる汚職事件で、同大が、収賄容疑で逮捕された元同大学院教授の伊藤誠容疑者(68)=名古屋市瑞穂区=の「名誉教授」の称号と、贈賄側の学位申請者に授与した医学博士号を取り消す方向で検討していることが7日、分かった。いずれも教授会の審議を経て正式決定する。

 同大医学部によると、名誉教授の称号は、20年以上の教授在職や特別な功績が認められた場合などに教授会で候補者を推薦し、学長が最終決定して授与される。実際の勤務や報酬はなく、肩書きとして活用したり大学施設を利用できる特典があるという。伊藤容疑者は05年3月に同大学院教授を退官、同4月に名誉教授の称号を受けた。

 同大の規定には、称号の取り消しを定める項目はないが、今回の事件が大学の信用を失墜させる“不名誉”なものだけに、大学側は規定改正を検討。県警の捜査結果を待ち、教授会で審議して取り消すかどうか決める方針だ。

 また、贈賄側の学位申請者5人は、県警の任意の調べに「口頭試問の内容を事前に教えてもらった」と供述している。審査の公正性が疑われるため、別の規定で学位取り消しを定める「不正な方法で学位を得た場合」に該当するとみて、大学側は5人を含む04年度の博士号授与者十数人から聞き取り調査を行ったうえで、処分を決める。

 西野仁雄学長は取材に対し「事実関係の推移を見守りながら、きちっとした対応をしなければならない」と厳しい処分を示唆している。伊藤容疑者は05年2月上旬、学位申請者に口頭試問の内容を事前に漏らし、この見返りに謝礼を受け取った疑いが持たれている。【桜井平】