代理母出産について

いろいろなところでいろいろなことが言われているわけですが。
代理出産 学術会議公開講演会で「禁止案」に賛否(毎日新聞) - Yahoo!ニュース 魚拓

委員の加藤尚武・東京大特任教授は「全面禁止するほどの危害があるとは思えない」と禁止に反対する見解を示した。

妊娠・出産が危険なことである、という認識を持たないと、こういう意見も出る。国が禁止するほどの危険度じゃない、っていうことだろうけど。まあなんだな、クスリの副作用の時には、すごく少ない危険度でも、「絶対大丈夫って言えるんですか?」みたいな論調になりがちなのに、妊娠・出産については許容されるのかな。
まあそれを言い出すと、車に乗るのも危険だし、飛行機に乗るのも危険だ。だから、代理母については、国が法律で規制するのではなくて、何かあっても自己責任、というのがスジなのかも知れないが、何かあったら医者を訴えるだろうな、間違いなく。そういう面倒を少しでも背負いたくないから、代理母は禁止にしといて欲しいという産科医は少なからずいると思う。不妊治療の人たちは公に認めてもらいたいと思ってるかも知れないけど。
識者の意見がもう少し詳しく出てるのはこちら。
「子の福祉最優先」「禁止に反対」=代理出産めぐり公開講演会−日本学術会議(時事通信) - Yahoo!ニュース 魚拓 こっちでの加藤先生はこんな感じ。何か言ってること微妙に違うような。それとも一つの意見の違うフレーズを切り抜いてるのか? 議事録見ないとわからんな。

加藤尚武東大特任教授(倫理学)は「ある医療を法律で禁止するには、理論的な想定ではなく臨床的事例による証明が必要。その要件が不足している」とし、禁止に反対。

今は、臨床的事例で証明してたら、有害事象の被害にあった患者さんから、「禁止するのが遅れたのは問題だ」とかいって国が訴えられたりもしますが何か? だから、あんまりやり方はよくないけど、禁止にしといて、それでも水面下でどこかのクリニックがこっそり症例を蓄積していって、それを学会とかで発表して、「こんなに安全です」ってアピールして、しぶしぶ国も学会もその治療を認める、みたいな経過が一番無難なんじゃないかと思う今日このごろ。そうやって、減胎手術なんかもまだ認められてはないけど広まっていったわけで。
いずれにせよ、難しい問題である。経過を見守りたい。