これは良書

発達障害の子どもたち (講談社現代新書 1922)
杉山 登志郎 (著)
内容紹介
言葉が幼い、落ち着きがない、情緒が不安定。
育ちの遅れが見られる子に、どのように治療や養護を進めるか。
長年にわたって子どもと向き合ってきた第一人者がやさしく教える。

friedtomato先生が紹介していたのを即買い。症例中心で読みやすい。アスペルガーに対する最近の傾向についての記述が印象的。

 先にわが国において高機能広汎性発達障害の少年、青年による重大犯罪が続いて生じていることを述べた。国際医学雑誌に掲載されたアスペルガー症候群による殺人の報告は三例に過ぎず、毎年のように生じている現在のわが国の状況はやはり異常である。この事実は、わが国においてこのグループへの医療的、教育的対応が立ち後れていることを何よりも象徴しているものと筆者には思える。(本書p118-119より)

私も筆者の先生に同意だ。細かくデータも書いてある。なのに「病気」を中心に事件を書き立てる人たちもいる。反省を促したい。とかいって、絶対に反省する人たちではないんだろうけど。