金賞よりも大切なこと

金賞よりも大切なこと〜コンクール常勝校 市立柏高等学校吹奏楽部 強さの秘密
内容紹介
千葉県柏市。人口約40万人のこの市にある柏市立柏高等学校吹奏楽部(ブラスバンド)は全国の様々な吹奏楽コンクールで金賞を獲得し続ける金賞常連校だ。この市立柏吹奏楽部を創立から率いてきた教師、石田修一氏が楽器もない新設校時代からいかにして吹奏楽部をここまでにしたか。創設当初から少ない部員でコンクールに出場。そこからあっという間に常に上位を狙う吹奏楽部に育て上げた。コンクールだけではない。日本全国のイベントに呼ばれての遠征演奏は数知れず、テレビ出演やプロ野球の開幕式での演奏経験もある。さらには、アメリカや中国をはじめ世界各地からも招聘されるほどの知名度がある。毎年部員が入れ替わる普通高校で、常に優れた吹奏楽部をどうやって維持していくのか。部員はごく普通の高校生。こうした優秀な演奏を維持し続ける吹奏楽部を持つ高校は全国各地にある。その代表校の1つと言える市立柏の1年を追い、演奏技術よりも大切な人間教育に主眼を置く石田氏の教育が結果的に金賞につながっている背景を記録したのがこの本である。教育荒廃が叫ばれる中で、こんなにすばらしい高校生が現にいることを。それが学校教育の現場の成果であることの驚きを本書は語っている。学校教育も捨てたもんじゃない。こんなすごい先生や生徒が現実にいることが本書を読むとわかる。これからの教育を考えるためにも必読の書だ。

「笑ってコラえて! 吹奏楽の旅」の2年目に取り上げられた学校。あの番組の中での印象は微妙で、その番組を見たときのことを書いている某有名本の中でも「キモイ」扱いであった。この本では、非常に好意的に取り上げられていて、今どきこんな清々しい若者たちもいるんだ、と感心するが、読みようによっては、筆者によって持ち上げられまくっててちょっと怖い感じもする。教育本として読むのが無難かと。