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母親とホメオパシー助産師和解=ビタミン与えず乳児死亡―山口地裁 (時事通信) - Yahoo!ニュース 魚拓
御家族のためには早期決着は喜ばしいことだと思うが、医療としては微妙。上記記事よりも、何かと話題のこちらの新聞社の方が詳しい。
asahi.com(朝日新聞社):「ホメオパシーで長女死亡」助産師と母親和解 山口地裁 - アピタル(医療・健康) 魚拓

和解には「内容を口外しない」との条件が含まれており、和解の理由や金額について、双方の代理人は「話すことはできない」と答えた。

ってところが限りなくアヤシいよなぁ。医療者としてはこんな助産師こそ刑事にして欲しいと思うんだが、まあそれも難しいんだろうな。
で、この件について、例の協会がコメント出した魚拓)。NATROM先生は、「原告側が余計なことを話さないという効果だけでなく、自分たちも、和解条件を理由に、都合の悪い事実を説明しなくてもよい口実まで手に入れたわけ。」と記事で書いておられるが、「自分たちに都合のいい説明をする口実」も手に入れたのかも知れない。このホメ助産師には、こういう援護団体がコメント出来るわけだが、この御家族には、その「内容を口外しない」和解条項に抵触せずに援護コメントを出す方法があるのだろうか? そうでなければ、あまりに不公平と言わざるを得ない。
琴母さんのところに当事者の方からコメントが届いている。

私たちの勉強不足もあり娘は亡くなりました。裁判をしても、娘の命は戻らないけれど、娘の死をきっかけに少しでもたくさんの方が、医療を受ける側として何ができるのか考えていただければ、うれしいです。簡単に防げる病気で娘のように亡くなる赤ちゃんがいませんように。

重い言葉だ。「医療を受ける側として何ができるのか考えていただければ」とおっしゃっておられるが、今回の事例は「資格を持っている医療職がやるべきことをやらなかった」事例と思われるので、こういうことをきっかけに医療を受ける側が勉強を始めるというのも何だか悲しいことで、専門職としては恥ずべきことであると考えている。