マスコミの本音

連日のネタ提供ありがとうございます。
http://blog.kahoku.co.jp/osansos/2007/02/post_16.html
やっぱり彼の地は聖地であるということが実感出来る。

産婦人科部長の高橋秀身さん(56)は「患者さんの選択肢がどんどん減っている。なんぼ憎い医者でも選ばざるを得ない」と妊婦の立場を思いやる。

多分、先生はそういう経験があって、自嘲気味にこの発言をされたと推測されるのだが、そのキモチを忖度出来ずにそのまま載せてしまうところがイタイなぁ。多分、「なんぼ憎い医者でも選ばざるを得ない」というキモチが新聞社側にもあるんだろうな。これは、患者側の発言なら完全にDQN発言だけど、産婦人科の先生がおっしゃってるからいいだろう、というこの新聞社の姿勢が見え隠れする文章。もしかしたら先生はこんなこと言ってないかも知れないけど。

「設備にもスタッフにも限度がある。開業医1人の診療所にすべてを要望するのは、ファストフード店でフルコースを食べたいというようなもの。求められても無理なんです」

これが載ったことは称賛に値するな。まさにそうだから。
ただ、記事の締めはこの発言。

「住民が嘆願書を出しても医者を呼んでくることはできない。今、子どもができたらやばいなあ。どうすればいいんだろう」

・・・避妊してください。というのは冗談にしても、相変わらず「嘆願書」ってのが2周半遅れって感じだなぁ。「署名」じゃなくて「募金」したらいいんじゃない? っていうのが1周前くらいの医療従事者の反応だったが、最近思うのは、本当に「募金」されてしまうと、今度こそ「私たちのお金で雇ってるんだから365日24時間対応して当然」ってことでかえって奴隷化が進む可能性があるので、静かに逃散、っていうのがやっぱりFAなんじゃないかと思う今日この頃。
今回で「第二部」は終わりとのこと。「第三部」はどんな流れになるのかすごく楽しみ。
以下は記事。

(5完)狭まる選択肢/意欲と憂い 背中合わせ

 3人、4人と、できるだけ多く産みたい。「生活費は、わたしたちが頑張れば何とかなる。でも産む場所が…」。秋田県上小阿仁村の武石恵さん(29)は憂いの目を向けた。
 傍らを1歳と4歳の息子が元気に駆け回る。2人は実家に近い大館市立扇田病院で里帰り出産した。「助産師さんが親切で熱心。いつでも相談に行けた。とても温かい病院だった」
 もう、扇田病院では産めない。2006年8月、産科を休止した。
 母乳指導など充実したケアが評判で、妊婦の人気は高かった。扱う分娩(ぶんべん)は年約500件。大館、上小阿仁など北鹿地区3市1町1村に出産可能な病院・診療所は5カ所あったが、4割強のお産を受け入れる中心的な存在だった。
 「今は産み方一つにこだわる時代。それなのに、ここではお産の環境が悪くなるばかり。田舎だからしょうがないのでしょうか」。武石さんは訴える。
 大館市では市立総合病院が唯一の分娩施設となった。産婦人科部長の高橋秀身さん(56)は「患者さんの選択肢がどんどん減っている。なんぼ憎い医者でも選ばざるを得ない」と妊婦の立場を思いやる。
 どんな出産スタイルか、母子同室か別室か、母乳育児を重視するか。お産に対する考え方は、妊婦、病院・診療所それぞれにさまざまだ。
 より多くの情報を集め、自分に合った場所を選ぼう―。書店にあふれる出産ガイド本などは、こううたうが、肝心の産科がなければ、選びようがない。

 「産科過疎地」の一つ、宮城県北。栗原市の女性(34)は「1人しか産まないかもしれない。だからこそ満足できる、悔いのない出産にしたい。それなのに選択肢がとても少ない」と嘆く。
 栗原市には産科医が佐々木裕之さん(50)=ささき産婦人科クリニック=しかいない。「いろいろ要望はあると思う。なるべく応えたい」と理解を示した上で、言葉を続けた。
 「設備にもスタッフにも限度がある。開業医1人の診療所にすべてを要望するのは、ファストフード店でフルコースを食べたいというようなもの。求められても無理なんです」
 受け入れる側も、ぎりぎりの状態で地域のお産を守っている。

 産む場所が次々に消えていく現実。3人目を望む上小阿仁村の武石さんは思案する。「住民が嘆願書を出しても医者を呼んでくることはできない。今、子どもができたらやばいなあ。どうすればいいんだろう」
(「お産」SOS取材班)=第3部は今月下旬に掲載します