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Yahoo!ニュース - ロイター - 出生時の身長がボールペンほどの米女児、退院へ
これは普通の記事。まず読んでみる。

出生時の身長がボールペンほどの米女児、退院へ
2月21日17時43分配信 ロイター
 2月20日、出生時の身長がボールペンの長さを少し上回る程度だった未熟児のアミリア・テイラーちゃんが、4カ月間におよぶ病院での集中治療を経て、数日後に退院できる見通しとなった。昨年10月撮影。Baptist Health South Florida提供(2007年 ロイター)
 [マイアミ 20日 ロイター] 出生時の身長がボールペンの長さを少し上回る程度だった未熟児が、4カ月間におよぶ病院での集中治療を経て、数日後に退院できる見通しとなった。同女児が入院する当地のバプテスト子供病院が20日に発表した。
 アミリア・テイラーちゃんは、昨年10月24日に妊娠21週と6日で生まれ、出生後生存した未熟児のケースとしては、妊娠期間が最も短い世界記録とみられている。
 また、アイオワ大がメディアの報道や医学雑誌への報告の記録を調べたところ、アミリアちゃんは世界で最も小さい新生児だという。出生時の身長は9.5インチ(約24.13センチ)、体重は10オンス(283.5グラム)にも満たなかった。
 新生児が生まれるまでの妊娠期間は一般的に37─40週で、妊娠期間が23週以下または出生時の体重が14.11オンス(400グラム)未満の新生児は生存が可能とはみなされない。
 同病院の新生児担当医は、「彼女(アミリアちゃん)はまさに奇跡の赤ちゃんだ」とコメント。病院の広報によると、アミリアちゃんはあと数日様子を見た後に退院する予定。

改行は多いが、内容的には普通。

妊娠期間が23週以下または出生時の体重が14.11オンス(400グラム)未満の新生児は生存が可能とはみなされない。

これはどこの基準なのかなぁ。ロイター通信の配信だし、アメリカかな。日本は、22週未満がダメ、っていうことになってるハズだけど。グラムの制限はなかったと思うが。直訳で配信した、ということか?
で、今度はm3.comで見かけた共同通信の記事。

21週で出生の女児退院へ 米、当初体重284グラム
記事:共同通信社
提供:共同通信社
【2007年2月21日】
 【ニューヨーク20日共同】米フロリダ州マイアミのバプテスト子供病院は20日、同病院で昨年10月に妊娠わずか21週の段階で生まれた女児が順調な成長を続け、数日内に退院できる見通しになったことを明らかにした。生まれたときの体重は284グラムしかなかった。
 同病院によると、低体重児のデータを集めているアイオワ大のまとめでは、妊娠23週以降に生まれた赤ちゃんが育つ事例しかなく、世界記録とみられている。現在の体重は約2040グラム。母親は「いまだに驚いている。このように大きくなるとは想像もできなかった」と話しているという。
 女児はアミリア・ソニア・テーラーちゃん。昨年10月24日、帝王切開により誕生、身長は「ボールペンよりやや長い」(同病院)約24センチ。妊娠期間は21週と6日だった。
 妊娠期間は通常37-40週で、日本の厚生労働省などによると、2500グラム未満で生まれた赤ちゃんを「低出生体重児」と呼ぶという。
 アミリアちゃんの成長は、病院も「奇跡」と呼ぶほどで、病院はあくまで例外的な事例だと強調。「多くのことがうまくいった場合にあり得るだけで、新たな(医学的)傾向を確立したとは考えないでほしい」とくぎを刺している。

一見、何の変哲もない記事に見えるが、

 妊娠期間は通常37-40週で、日本の厚生労働省などによると、2500グラム未満で生まれた赤ちゃんを「低出生体重児」と呼ぶという。

この一文の入り方が不自然。まず、妊娠期間は通常37週0日から41週6日が正常産である。で、低出生体重児については、別に厚労省に聞かなくても2500グラム未満と決まっている。記者は厚労省に聞いたのか? アメリカの事例だから、日本ではどうか、とか聞いてみたんだろうか。今回のケースの場合は、低出生体重児どころじゃなく超低出生体重児(1000グラム未満、昔の超未熟児ってやつね)なので、もっと突っ込んだ記述が欲しいところ。さらに、このケースは、低出生体重という事と、未熟性というポイントがあって、そういった点についても書いて欲しいなぁと思うのだが、報道にそこまで望むのは酷かな。
21週と6日なもんで、殆ど22週ではあるけど、やっぱり超早産(日本ではいちおう流産の時期だが・・・)であることには変わりない。intact survivalなのかどうか、今後の発達の状況が気になるところではあるが・・・