聖地情報

関西の新・聖地となりつつある滋賀県彦根地方。例の問題の経緯が分かるような分からないような記事。
中日新聞 ’07統一選しが 争点の渦中で(3) 医療問題
http://blog.m3.com/OB_Gyne/20070329/_.._3_29_でお見かけしました。どうもありがとうございます。
まあいろいろツッコミどころはあるんだけど、いい点から。

続けるにつれ、問題の根深さを知る。きっかけは、会のホームページの掲示板だった。
 「自分たちのことしか考えないのか」
 相次ぐ医療関係者からの批判的な書き込み。悪意を感じながらも、よく読んでみると、産む現場の悲鳴が聞こえてきた。

例の掲示板のことね。多分、あれ、釣りでやってる人たちがかなりいたと思うんだけど、そこら辺のニュアンスが、「悪意を感じながらも」に凝縮されてて、非常にいい文章だと思う。たまには褒めとかないとね。

 「これまでは医療に頼り切ってきた。現場の気持ちも考えて歩み寄らなければ」。医師の負担軽減を考え、助産師を活用すべきだと確信した。

ここらへんは、「・・・・」って感じ。一生懸命考えてるのはイイと思うのだが、勝手に確信されても困る。そこで、院内助産院の導入なんかが計画されたのかな。

彦根から市外の病院に通っている妊婦さんが、一刻を争う事態になったら大変。緊急時の受け入れだけでも何とかならないのか」

これは危険だなぁ。普段やってないのに、緊急時だけ受け入れるのは、アブナイと思う。で、何か起こったら訴えるんでしょ。だったら、多少時間がかかっても、ちゃんとした病院にスルーパス、というのは防衛医療の基本だな。パスを受ける方にとっては迷惑な話だけど・・・
統一選の争点になってるみたいだけど、んなこと言ってる間に、どんどん医療は崩壊していくのでありました。政治が何か介入するとするなら、もっとスピード感のある、実効性のある政策を立てないと、何もならないよ。引用させて頂きますが、

とりあえず集約化、とりあえず奨学金にDrバンク、よくわかんないけど選挙!

っていうフレーズが、何ともしっくりくる政治事情なのでした。
以下は記事。

’07統一選しが 争点の渦中で
(3) 医療問題 
 命を産む場の空白地帯が今、広がっている。
 「あの病院で産めなくなるなんて」
 今年初め、彦根市小泉町の主婦高居涼佳(33)は、彦根市立病院の現状を突き付けられた。
 産婦人科医3人のうち2人が3月下旬に退職。残る医師1人では、分娩(ぶんべん)は続けていけない。
 市立病院は湖東地域の中核病院として、年に500件以上のお産を扱ってきた。
 高居も2歳の長男をここで産み、2人目も市内でと考えていた。ほかに地元でお産ができる医療機関は、民間の診療所1カ所しかない。
 「何とかせな」
 お産関連のイベントで知り合った仲間らに声を掛け、女性14人で「市立病院での安心なお産を願う会」を結成。1月中旬から署名活動を始めた。
 「住み慣れた地元で安心して産みたい」
 続けるにつれ、問題の根深さを知る。きっかけは、会のホームページの掲示板だった。
 「自分たちのことしか考えないのか」
 相次ぐ医療関係者からの批判的な書き込み。悪意を感じながらも、よく読んでみると、産む現場の悲鳴が聞こえてきた。
 強いられる過重労働。そして、事故が起きた際の訴訟の増加。医師不足は各地が抱える問題とも知った。
 県によると、県内でお産を扱う総合病院は13カ所。4年前と比べ、7カ所減った。湖西では公立高島総合病院がやめ、ゼロになった。
 「これまでは医療に頼り切ってきた。現場の気持ちも考えて歩み寄らなければ」。医師の負担軽減を考え、助産師を活用すべきだと確信した。
 1カ月で集まった署名は5万人以上。当初目標の8000人を優に超えた。嘆願書に添え、嘉田由紀子知事と獅山向洋市長に届けた。
 反響はあった。市は産婦人科医の着任支度金新設や待機手当増額を予算化。県と市の議会に出した請願は採択され、統一地方選が近づくにつれ、立候補予定者の訴えも響き始めた。
 「医師確保に向けて、全力を尽くします」
 だが、現状は変わらない。市立病院の事情が伝わるにつれ、市内で唯一お産ができる医療機関となった診療所には、予約が殺到した。昨年のお産は月平均で60件余。院長は「今年の8月は90件に近い。もう限界」と頭を抱える。
 願う会は今後、各地で同じ活動を進める団体と連携を深め、国にも働きかける予定だ。危機感が高居の背中を押す。
 「彦根から市外の病院に通っている妊婦さんが、一刻を争う事態になったら大変。緊急時の受け入れだけでも何とかならないのか」
 だが、新たな医師のめどはなかなか立たない。今月20日、市立病院からついに産声が消えた。 =敬称略