医師は何を勉強すべきか。

医学は、日々変わって行く学問なので、勉強を止めたら、医師としての成長も止まる。これは、マトモに医療をやってる人間なら自明のことだ。それは、他の医療職でも同じ。時間は限られているので、なるべく医学の勉強をしていたい。
ただ、昨今の社会情勢の変化から、医師でも法律とか法規とか通達とか、そういったことに熟知してた方がトク、という時代になりつつある。それでいいのかなぁ。お金の計算とか、事務の人に任せておけば、いいようになってる、っていうのが一番いいんだけど、やっぱり自分でしっかりやっとかないと、知らない間に損してるとか、ありそうな話だし。
私自身は、専門分野以外の勉強をするのがかなり好きなので、いろいろ雑学とかヘンな資格とかをため込んでいるわけだが、ホントは、専門分野の勉強に集中した方がいいに決まってるし、集中してた人に比べたら、やっぱり専門家の能力として落ちるところがあると思う。で、医師としては、しっかり勉強してる専門家の方がいいに決まってる。でも、もし、社会情勢のせいで、そういう専門分野の勉強に使う時間を、別の勉強に使わなきゃならんという事態があるとしたら、実は社会にとってはとっても不幸なんじゃないかと思うんだが、どうなんだろう。
例えば、訴訟に巻き込まれたら、かなりの時間を訴状を読んだりとか弁護士さんと打ち合わせたりとかに使わなきゃいけなくなる。その医師が、訴えられて当然の自業自得ならまだしも、言いがかりみたいな訴訟もあるわけで、そしたら医療に使えた筈のその時間を訴訟関係に費やすのは、精神的にしんどいというより、社会の損失だと思う。折しも、昨日は大野病院事件の公判があったわけで、あんな仕打ちをされてもなお産婦人科医を続けたいという熱意をもったK先生を医療をさせない状態で置いておくのは、昨今の産科医不足の状況で何たる人材の無駄遣いかと思うよ。
と思うがままに語ってみたが、産婦人科医療とはあまり関係のない分野の研究をのほほんと海外でやってる私が言うのも実に説得力のない話で。多分、帰国しても、資格マニアはやめないと思う。次は、中断してるFP2級。ファイナンシャル・プランニング検定って、日本で生きてく上では絶対ためになるって。勉強して損はしないよ。年金とか税金の仕組みがよくわかるよ。相続税のところ勉強したあと、親に、「遺産は現金で残さず不動産でオネガイ!」とか早速言ってる私。浅はかな勉強ではあるんだけど。