キラーパスに見る診断能力

サッカーの話題ではありませんので。念のため。
いつもお世話になってます天漢日乗さんの記事産科崩壊 助産所からのキラーパス 平成17年度に助産所で亡くなった新生児はわずか3人 ほかは搬送して病院で死亡: 天漢日乗より。いつもながら明快な分析。さて、ここからは数字の遊びなので、あまり深く考えませんように。まず基本データはこちら。天漢日乗さんの丸写し。

平成17年度人口動態調査
 全国で生まれた赤ちゃんの数 1083796人
 生まれてすぐ亡くなった赤ちゃんの数 1091人
  病院 988人(出生数 545766) 死亡率 0.2%
  診療所 67人(出生数 503579) 死亡率 0.01%
  助産所 3人(出生数 10676) 死亡率 0.03%
  自宅 22人(出生数 2184) 死亡率 1%
  その他 11人(出生数 325) 死亡率 3.3%

当ブログに出入りしてる方々は、助産所の死亡率が低いから助産所は安全、というレベルの主張をする方はもうおられませんね? いらっしゃいましたら、天漢日乗さんの記事に戻って十分に学習してからまた来てください。
ここからの私の主張は、nの数が十分ではない可能性があるのであくまで数字のお遊びということで聞き流してください。まず、皆さん言われますように、危ないお産になったら、助産所にしろ診療所にしろ、病院へキラーパスを送ります。病院への搬送で助かるものもあれば、助からないものもあるでしょう。とにかく、助産所や診療所では、危ないお産の率は結果的に下がるわけです。でも、危険なお産の自然発生率自体は、病院でも、診療所でも、助産所でも変わらないはず。自然の摂理ですから。だから、危険なお産の自然発生率から、最終的な死亡率への下がり具合が、すなわち助産所診療所のキラーパスの出し具合、つまりは危機回避能力だと思われるわけです。
さて、数字を見てみましょう。診療所での死亡率0.01%に対し、助産所では0.03%もあります。完璧にキラーパスを出せれば、両方とも0になるハズですが、そこは人間のすること、自然の摂理でもあり、0にはできないもんです。でも、それでも3倍の差がありますよ*1。やっぱり、助産所の方が、3倍危険とまでは言わないけど、キラーパス能力=危機回避能力=診断能力が低いんじゃないかと数字から思うわけです。
助産所を賞賛する方々は、「危なくなったら病院に送るから大丈夫」が合い言葉ですが、少なくとも、診療所よりは大丈夫じゃないと思うのですが、その筋の方々、いかがですか?

*1:正確には、0.0133%と0.0281%なので、2倍強でしょうが、ここは軽く数字で煽ってみます。