人を安全に育てること。

信州から東京へ。高校時代の友人たちと食事。高校時代の同級生は、まあ普通同い年で、学歴もまあまあ似たようなものなので、社会的な地位も大体同じ。文系、理系の違いはあるけど、大体共通してるのは、職場ではある一定の責任ある立場にあって、部下を使うようなトシになったということ。だから、悩みも大体共通するところだ。
部下を育てるにあたっては、ある程度の失敗経験が重要になるんだけど、仕事上あんまり失敗してもいられないし、責任者である自分の責任が問われてしまうので、若い部下である彼や彼女の仕事が失敗しないように、やっぱりある程度根回ししてしまう、という話。なかなか興味深い。医療の分野では、失敗が患者の死につながることもあるので、根回し以前にあんまりムチャなことは若手にはさせられない、ということになるので、失敗経験については、先輩が予期せず失敗してしまった経験を共有する、ということになる。ただ、最近は、その失敗経験も、どこで裁判の証拠に採用されるかも分からないので、むやみにしゃべることもできず、黙って埋もれて行く方向であろう。これでは人は育たないんだな。うまくいった話ばかりしても、人は育たない。失敗から人は学ぶのだ。でも、医療の分野では失敗は許されない。人は必ず失敗する生き物である、にもかかわらずだ。どうやったら人を安全に育てられるんだろうな。難しい問題だ。
夕方、新幹線で関西へ帰還。案外混んでて、指定席で帰りたかったから、駅で一時間待ち。まあ、急ぐ旅じゃなし。