レアケース

レアケースに遭遇したら、それをきっちりと報告するのは医師としての義務だろう、と考えていた。最近は、裁判のネタにされる可能性があるから、そういう症例報告は減っているとの話も聞くが、まあ裁判ネタにならないようなcase reportなら書いてもいいだろう。
症例報告を書きなれてない人が書こうと思い立ったら、まずは似たような論文を探してきてマネするところから始める。しかし、症例数が少ないからレアケースというのであって、似たような論文は少ない、というジレンマがあるのだが。
そんな私も人から某syndromeについて調べてくれと言われることがあって、じゃあついでに論文にまとめようかと思い立って、PubMedで調べてみたりしたのだ。そしたらその某syndromeで検索しても合計8件しかヒットしないのだ。まあ8件でもあるだけマシか、と思ってダウンロードをかけてみるのだが、ウチのラボがアクセス権があるとかないとかそういう問題じゃなくて、そもそもPDFになってない雑誌ばかりだったりする。そんなわけで図書館にコピー発注。でも、せっかちで落ち着きのない私の性格の問題と、仕事内容が毎日めまぐるしく変化している今日このごろの事情もあり、文献のコピーが手元に届いた頃には、なんでその文献を依頼したのか忘れてる、ってこともあるわけで。そういう点では、PDFで入手できる論文ばかりがreferenceに並んでる、という昨今の事情も理解できることではあるなぁ。