バレエ音楽「ダフニスとクロエ」

ラヴェル作曲のこの曲。全曲は1時間くらい。好きな曲である。とても難しい曲だけど、この曲をオケで演奏するor上手いオケを相手にこの曲を指揮することが出来たら、人生に思い残すことはない・・くらいである。
実は、この曲を知ったのは、ある本がきっかけだったりする。

心の音楽(うた)を奏でよう
内容(「BOOK」データベースより)
ロックが好きなヤツもいる。楽譜が読めないヤツもいる。マジな彼女も、シラケタ彼も楽器を手にとりゃ生き返る。―私立埼玉栄高校吹奏楽部にウイーン国際音楽コンクールから招待状が届いた。国際舞台に通じるのか―期待と不安を胸に出場してみると、結果は思いもよらぬ大賞受賞。その栄光の軌跡をたどりながら、現代高校生の素顔を鮮烈に浮かびあがらせた、感動のドキュメント。

1988年に出版された、1985年〜87年頃の埼玉栄高校吹奏楽部のドキュメント本である。個人情報をいをい、っていうくらい、実名が溢れているスゴイ本ではあるのだが、1986年に「ダフニスとクロエ」を演奏して全国金を獲ったあたりの話をツカミにして、その翌年のウィーン遠征を中心に描かれている。著作権の問題もあり、ブートリー編曲のその曲をいかに演奏したか、クリュイタンスの演奏が定番だと言われていたが、管楽器の特性をより弾き出したデュトワ盤の方を参考にした、等々、その本から初めて知ったことは非常に多い。その時の演奏は、最近たくさん出ている団体ごとのメモリアルCDのはしりとも言えるブレーン社の「青春譜」というディスクに収められているが、廃盤のようである。以前にもダフクロを演奏した団体はあるが、正式に著作権の問題を乗り越えてブートリー版を演奏したのは、埼玉栄高校が初めてだったようで、粗削りながらも熱気に満ちた演奏である。確かに、その後に演奏した団体はより洗練されたいい演奏をしているし、近年では中学生でも演奏するし、著作権が切れたのか別の方の編曲による版も出ているので、今では珍しくないのだろうけど、私はこの埼玉栄版の何とも言えない熱気が大好きで、今でも時々聴くのである。その後、オケ版、全曲版へと勉強を進めていき、その素晴らしさを味わうのであるが、出会いのきっかけである吹奏楽版には、今でも特別な感情を持っているのである。
惜しまれるのは、埼玉栄高校が「ダフクロ」を演奏した1986年、神奈川県民ホールで開かれた関東大会を私は聴きに行っているのだが、プログラム1番だったその演奏を、殆ど覚えていないのである。その時の課題曲はCで、間宮芳生先生の曲で、初めて聴いたその曲の冒頭に面食らった記憶はある。自由曲は何かスゴイ演奏だった気はするのだが・・・まだダフクロを知らなかったのだから、仕方ないといえば仕方ないのだけれど。